【メモ】「同人誌」に「どうにんし」という読み方はあるのか?


「同人雑誌」は「どうじんざっし」と読むのが普通だと思いますが、辞書によれば「どうにんざっし」という読み方もあります。
『日本国語大辞典』では、「どうにんざっし」という読みでの用例として、一瀬直行『彼女とゴミ箱』(1931)を挙げています。
同人雑誌(どうじんざっし)とは - コトバンク

「同人雑誌」という、「同人誌」より古い感じの言葉が、現在、会話でどの程度使われ、どう発音されているのかは知らないのですが、「どうにんざっし」は、現在では廃れてしまった古い読み方ということなんですかね?



「同人誌」という言葉がいつからあるのかは、よくわかりません。『日本国語大辞典』では、見出しに立てられてすらいません。「同人雑誌」よりは新しい言葉なのではないかと思います。

では、「同人誌」にも二種類の読み方があるのか?

斎藤昌三『閑板 書国巡礼記』(1933年)には、「同人雑誌」と「同人誌」の両方の用例があります(東洋文庫版で確認)。
1933年にすでに「同人誌」という言葉があるので、「どうにんし」と発音する人もいたかもしれません。「どうにんし」の古い用例を探しているのですが、今のところ見つかりません。