「NERD」は「マヌケ」か?

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一昨年、『月曜から夜ふかし』の「Tシャツに書かれた英語の意味を教えてあげたい件」で、「NERD」の意味を「マヌケ」と言っていました。
ツイッターでは、「マヌケ」じゃなくて「オタク」じゃないのかという意見がいくつか出ています。
月曜から夜ふかし NERD since:2017-08-14 until:2017-08-31 - Twitter検索

2017年の時点で「NERD」の意味を「マヌケ」とだけ説明するのは変だと感じますが、「NERD」の意味が「マヌケ」というのはまったくの間違いともいえません。

1983年の坂下昇『現代米語コーパス辞典』( 講談社現代新書)では、「nerd」を「いやな奴,鈍感で分かっちゃいない奴」としています。

「オタク」と「nerd」は、現在ではかなり意味が近づいていますが、「nerd」の意味の変遷は大きく、元々はかなり違う言葉です。



1984年のアメリカ映画に『ナーズの復讐』があります。

ナーズの復讐 集結!恐怖のオチコボレ軍団 の レビュー・評価・クチコミ・感想 - みんなのシネマレビュー
このページで、ぐるぐる氏と民朗氏がナーズ(nerdの複数形)について説明しています。
民朗氏が、
「ただ一言にオタクと言ってもこのナーズという英語は結構色々な人々を指す言葉でして、劇中でナーズに分類されているのは1.ガリ勉、2.スラッガー(所謂落ちこぼれ)、3.オカマちゃん、4.日本人(これはひどい)、5.コンピュータおたく、等々です。つまり社会で暗黙に推奨されているロールモデルから少しでも外れた人たち全てを指すわけです。」
と書いているように、この映画のナーズは多様な人々です。



2013年には『King of The Nerds』というテレビ番組が作られました。
司会者は、『ナーズの復讐』の出演者であるロバート・キャラダイン氏とカーティス・アームストロング氏。
内容は、Nerdvanaに集められたオタクたちが、King of The Nerds(オタクの王)の座をかけて、クイズやゲームで競い合うというものです。
この番組からは、「nerd」が「オタク」に近づいていることが感じられます。



シネマ解放区×本当は面白いアメリカンコメディ ナーズの復讐 シリーズ一挙放送 | 洋画専門チャンネル ザ・シネマ
King of the Nerds - Wikipedia



ここまで書いたあとで英和辞典も調べてみたところ、オタクという意味の記載が不十分なものも見られました。

たとえば、研究社『新英和中辞典』では、
1 無能な人,まぬけ.
2 仕事にばかり熱中していて社会性のない(つまらない)人.
となっています。
「a computer nerd コンピューターおたく.」という用例はあるのですが、語釈からは「おたく」という意味があることがわかりません。
nerdの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書

『英辞郎』では、「おたく」という意味を最初に挙げています。
nerdの意味・使い方|英辞郎 on the WEB:アルク