『セクシー田中さん』事件に関するメモ


一度書いたのですが、書き直すことにしました。
部分的に、内容を残しておきます。


 契約成立の認識

2023年月29日のオンライン会議で「小学館から、他局からのドラマ化の話を断ったことが説明され」(日本テレビ報告書)、日本テレビ側は許諾契約が成立したと認識しました。
それに対し小学館は、「あくまでも他局の企画案をペンディングして、具体的な条件を詰めていこうという打診に過ぎないということであり、正式に許諾したのは同年 6 月 10 日である」(同上)としています。

たとえば、オプション契約 → 許諾契約という流れの場合は、オプション契約の段階で他社を外して一対一の交渉になるので、他局の話を断ったというだけでは許諾契約成立と断言できません。

『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』ドラマ化では、NHKは「 11.15 Y→X、ドラマ化に向けた作業を進めて良いと電話」(IPPG150806.pdf)を許諾契約成立と認識したようです。
それに対し、 講談社は「映像化許諾交渉を行う合意がされたにすぎないのであり、映像化を許諾するものではない」(『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』映像化契約解除事件)と主張しています。
東京地裁も映像化許諾契約の成立を認めていません。


 契約書案の放置

小学館報告書によると、契約書案のやり取りは次のようになっています。

7月27日(28日?) 契約書案(小学館) 改変について小学館と原作者双方の同意が必要
9月26日(27日?) 修正案(日本テレビ) 合意相手を小学館に限定
10月23日 修正案(小学館) 小学館を介して原作者の承諾を得ることに修正
「なお、放送終了までに日本テレビから戻しはなかった。」

日本テレビ報告書では、具体的な内容に触れずにあっさりした記述になっています。
「同年 7 月28 日に小学館から契約書ドラフトが日本テレビに届き、契約書内容が過去作品から大幅な変更があり、検討に時間を要したため、日本テレビの回答は同年 9 月 27 日であった。結果的に、放送前には締結に至らなかった。」

小学館による修正案に納得できなかったためか、日本テレビは契約書案を放置しています。
放置したからと言って、原作者の権利が消えるわけではないのですが。

『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』ドラマ化では、NHKの対応は次のようなものでした。
「脚本確認条項は、編集権に関する介入であると判断し、契約書案についての検討結果を回答しなかった」(IPPG150806.pdf


 改変内容

短大進学の件については多くの人が語っているので、次の件を書きます。
「第 6 話では、予算の関係で進吾及び小西が 2 人で飲む店をサバランに変更したい旨の提案が制作サイドからなされたが、本件原作者は、「予算の関係で、進吾&小西が 2 人で飲む店をサバランに変えたい件は、絶対 NG です」と指摘したため、2 人が飲む店をサバランに変更するという提案は実行されていない。」(日本テレビ報告書p.80(pdf.86))

2人が飲むことに対し朱里ちゃんがキレてるので、朱里ちゃん行きつけの店であるSabalanで飲むのはまずいのです。
積極的に変えたいのではなく予算の都合だというのはわかるんですが、キャラの心情的に不自然になってしまいます。

 

b8270.hateblo.jp

 

b8270.hateblo.jp