ドラマ『セクシー田中さん』は、原作準拠で良い出来でした
ドラマ『セクシー田中さん』の感想はそのうち書こうと思ってたんですが、騒ぎによって誤解を受けているようなので、今回はその点について。
騒ぎはこちら。
原作者の芦原妃名子氏は、
「これらの条件は脚本家さんや監督さんなどドラマの制作スタッフの皆様に対して大変失礼な条件だということは理解していましたので」
と遠慮気味に書いていらっしゃいますが、業界の慣習はともかくとして、法的には当然の権利です。
原作改変と原作者については、以前こちらの記事で書きました。
誤解している人がいるのは次の点です。
1.ドラマ版は原作から大幅に改変されている(からダメだ)
ドラマ版は大幅に改変されているから観ないというようなことを言っている人がいますが、それは誤解です。
ドラマが面白かったので、原作はどんな感じなんだろうと気になって読んでみたんですが、キャラクターの性格付けもストーリーも印象的なセリフも、予想していた以上に原作準拠で驚きました。
原作者の説明によれば、大幅に改変されそうになったのを、原作者が修正して原作寄りにしたそうです。つまり、大幅改変は未遂です。
ドラマ版の魅力として演者の好演がありますが、メインキャラに関して言えば、(外見は別として)演者の個性で上書きするのではなく、原作キャラの土台の上にキャラが出来上がっているように感じました。
また、ドラマ終了のころは次のような誤解も結構あったようです。
2.ドラマ版は原作から大幅に改変されている(から素晴らしい)
8話までの脚本は脚本家名義、9・10話の脚本は原作者名義になっています。
それに加え脚本家のインスタでの発言もあり、8話までが好きで9・10話が嫌いな人の中に、脚本家を高く評価して原作者を非難している人がいます。
でも、9・10話の評価はともかくとして、8話までも(原作者による修正の結果)原作の要素が強いんですよね。なのに原作者が8話までのファンから非難されているのです。
最後に。
確かに脚本家のインスタでの発言は原作者に対してトゲのある物言いだと感じました。
しかし、『セクシー田中さん』は、「びっくりするくらい無神経」な人であっても悪い人とは限らないし、そういう人とも心が通じ合うこともあるというような内容の作品なので、普段より広い心で推移を見守ろうと思います。朱里ちゃんだって「笙野殺す!」とか言わなくなったことだし。