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わたしは、本を換金できる資産と考えること自体は理解できます。
メルカリをどう評価するか、CCC(TSUTAYA)をどう評価するか、書店がこのような宣伝をするのをどう評価するか、などはまた別の話ですが。
といっても、わたし自身はそういう風には考えていません。しかし、昔の読書エッセイなどを読むとそういう考え方が出てくることがあります。だから、なじみがある考え方なのです。
わたしは、換金目的よりも置き場所の問題で、多くの本を古本屋に売ってきました。広くもない部屋に一万冊ほど詰め込むと、生活に支障をきたし始めるのです。
現在は蔵書の大部分を処分してしまったため、読書関係の本もあまり残っていないのですが、手元にあった本の中から、本の換金に関する部分を二件紹介します。
『現代人の読書』 紀田順一郎 三一書房 1964年
「よく蒐集し、よく読むものは、また、よく売るものである。(中略)できるだけ有利に換金処分して、一冊でも多く新本を購入したい。」
『古本屋サバイバル』 編書房 2001年
「古書価格のここ二十年間の歴史を僕の古書体験から考えますと、七〇年代の頃はみすず書房などの本を非常に高く買ってくれた。持っていくと六掛けとか七掛けとかね、お金のない時、本当に助かった。(中略)だから読者のほうも本が資産だったんです。それなりの本棚が一本あると、金がなくなったら売りに行けば、その定価の七掛けで買ってくれるから、今日の飯代、飲み代には困らなかった。しかしそれはもう完全に崩れちゃいましたよね。」(小田光雄)
あまり自信をもって分析はできませんが、本の資産価値が下がって、売る習慣が下火になる谷間の時代を経て、ブックオフ・ヤフオク・メルカリの登場などにより、本を換金できる資産と考える層や、その対象となる本の種類が、かなり入れ替わったような気がします。