ルミネCM第2話の残念リアリズム


ルミネCMの変な構造」「ルミネCMセクハラ描写の出来のよさ」の続きです。

第2話では、第1話のセクハラ男と巻き髪女子も冒頭にちょっとだけ登場しますが、おもな登場人物はヨシノさんとイケメン君です。舞台は、説明はないのですが、会社の飲み会のようです。

イケメン君「僕も実は武将すきで」
ヨシノさん「え?誰?」
イケメン君「真田幸村とか」
ヨシノさん「信繁ねぇ」
イケメン君「のぶ、のぶしげ?」
ヨシノさん「真田幸村のこと。まだまだだねぇ」

ヨシノさんはイケメン君の存在を意識していなかったみたいなんですが、歴史の話になったとたん、急に食いつきます。
好きな武将を確認し、「信繁ねぇ」「まだまだだねぇ」と勝ち誇ります。

ダメオタクで残念な感じで、この部分に怒っている人がいるのもわかるんですが、わたしはこのCMの残念リアリズムな感じが好きです。ヨシノさんの言動もなんとか憎めない範囲に収まっていると思います。

イケメン君「歴史が好きな人、美人が多いってホントですね」

「あ、今度本貸したげる」「あ、ほんとですか」「うん」というやり取りのあと、イケメン君が突然ヨシノさんを褒めます。
この部分、発言までにタメがあります。そして視線が定まっていません。褒め方も変です。女性を褒め慣れていない人が相当思い切って発言したという緊張が伝わってきます。
前回リンクしたアマノイワトさんの表現によれば、「微妙に残念ぽいのがまた妙にリアル」なのです(前回記事のセルフブックマークで書きましたが、前回と今回の「残念」というキーワードはアマノイワトさんの表現を真似させていただきました)。

今回の連作CMに関しては失敗だったとしかいえませんが、CMとしては過剰とも思えるリアリズム描写の部分は好きなので、スタッフ・出演者の今後の活躍に期待します。