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ルミネCMセクハラ描写の出来のよさ

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一昨日、「ルミネCMの変な構造」 を書いたのですが、もう少し書いてみます。

まずは、CMの構造を分析しているページをいくつかリンクします。はてなブックマークでの異論も含め、興味深いです。







第一話の登場人物は、ヨシノさん(主人公)、セクハラ男、巻き髪女子の三名です。

セクハラ男「なんか顔疲れてんなー。残業? 」
ヨシノさん「いや、普通に寝ましたけど」
セクハラ男がゲスさを全開にするのは、この後に続く「寝てそれ?(笑)」のところからなんですが、この時点ですでにヨシノさんは警戒しています。セクハラ男は普段からろくでもない人間だと設定されているようです。

セクハラ男「おぉ、髪切った?」
巻き髪女子「これ巻いただけですってぇ」
巻き髪女子の描写が肯定的なのかどうかは意見が分かれています。わたしには、主人公はこれを目指すべきだというような肯定的な描写には見えませんでした。
ヨシノさんは巻き髪女子に対して笑顔なので、彼女のことを嫌ってはいないようです。

セクハラ男「巻いただけですってぇ(茶化したようなモノマネ)。やっぱかわいいなあの子」
ヨシノさん「そうですねえ。いい子だし」
かわいいと思っている女の子の目の前で茶化したようなモノマネをしているところから、悪気がないらしいのがわかります。なんかもうひどい。悪気のなさの暴走です。
ヨシノさんは、ことばを探りながらという感じで返事をします。セクハラ男が上司なのか先輩なのかは明示されていませんが、ヨシノさんの言葉遣いや対応から考えて、多少は気を遣わなければならない相手のようです。
ヨシノさんは相槌をうちつつ、「いい子だし(内面を評価)」と、自分の納得できる方向に寄せていっている感じです。

無神経なセクハラ男も、ヨシノさんとの間に壁があることを少しは気付いたようで二度振り向きます。ここの自然な演技もすばらしい。

壁には気付いたものの、何か勘違いした男は「需要が違う」の話をします。「大丈夫」じゃなくて「だーいじょうぶ」なのも、ムカツキ度を高めます。

ヨシノさんの心の声「最近、サボってた?」
言葉だけをとらえると、「サボってた」ということなので、本来自分が設定していたハードルに届いていないのではということであり、男性に合わせなきゃということではないんですが、話の流れから、そういう意味を持ちかねない危険なセリフです。

まずいことに、そこに「変わりたい? 変わらなきゃ」というナレーションがかぶされ、ダメ押しになってしまっています。
軽快な音楽と明るいナレーションは、本来であればいいイメージのはずなのですが、ここにかぶせると、おまえ今の状況がわかっててそんなこと言ってんのかと、視聴者に思わせてしまいます。

今となっては、作り手の意図がどうだったかはわからなくなってしまったのですが、せっかくこれだけ丁寧にセクハラ描写をしたのだから、もしセクハラ男がギャフンといわされたり改心したりするような続編があったのだとしたら、見たかったなあと思います。
もっとも、続編がまともな展開だったとしても、第一話時点での締めがおかしいという点がひっくりかえるわけではないのですが。

続いて第二話。
第二話のおもな登場人物は、ヨシノさんとイケメン君です。

歴史の話が出たとたん急に話に食いついたり、ラストでベラベラとしゃべり始めるあたり、心に突き刺さります。かなりテンパっているため西郷隆盛を二度繰り返すあたりもリアルです。

第一話と違って、第二話に関してはかなり評価が割れています。

ラストのダメっぷり描写は意図的だとわかりますが、次の二点が問題になっています(ほかに、第一話からの流れに対する批判がありますし、イケメン君は本当に歴史が好きなのかという点に疑問を持っている人もいます)。

ヨシノさん「信繁ねぇ(中略)まだまだだねぇ」
ダメオタクあるあるです。ダメさがわかったうえでの描写ならアリだと思います。

イケメン君「歴史が好きな人、美人が多いってホントですね」
なんか、褒め方間違ってます。
イケメン君はコミュ力低そうに描かれているので、女性を褒めるのに慣れていない人がなんとかがんばった結果、ちょっと間違っちゃったという描写だとしたらアリだと思います。

単純に構成に失敗している第一話よりも、むしろ第二話のほうが作り手の意図が気になります。シリーズを通して色んな人間の残念さをリアルに描こうという意欲的な企画のようにも見えるんですが、実際はどうだったんでしょうか。


続きを書きました。