『二流小説家』の映画版(2013年)ではヒロインが姪に


デイヴィッド・ゴードン著『二流小説家』(原題:The Serialist)は、しがない中年男がモテまくる推理小説で、日本でいえば柚木草平シリーズを思わせます。
2013年には、『二流小説家 シリアリスト』というタイトルで日本で映画化されています。
二流小説家 - Wikipedia

メインヒロインは15歳の女子高生クレア・ナッシュ。主人公ハリー・ブロックのビジネス・パートナーです。

映画では、クレアに当たる小林亜衣(小池里奈)を、ハリーに当たる赤羽一兵(上川隆也)の姪に設定しています。
中年男と女子高生がビジネス・パートナーで、中年男は女子高生に頭が上がらないという設定でそのまま映画化すると、そういう関係に至るまでの経緯がかなり尺をとってしまいます。

映画では、設定を変更することによって、
なぜ中年男と女子高生が親しいのか? → 親戚だから
なぜ姪に頭が上がらないのか? → 居候だから
というように、設定だけで関係性がわかるようになっています。

原作は文庫で500ページを超える作品なので、本筋を追うだけでいっぱいいっぱいだというのは分かるんですが、せっかくヒロインのキャラが立ってるんで、本筋のほうを少し削っちゃえばよかったんじゃないかと思うんですけどね。

二流小説家 〔ハヤカワ・ミステリ文庫〕

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二流小説家 シリアリスト [DVD]

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