「deaf」という言葉は使っても大丈夫らしい
リンク先の記事に、「聴覚障害」は英語で何と言うかという話がありました。それに関してブックマークコメントと記事コメント欄で少し書いたのですが、もう少し付け加えてまとめておきます。
上記記事のブコメで『セサミストリート』に触れているかたがいらっしゃいましたが、わたしも、『セサミストリート』で「deaf」という言葉が使われていたのが強く印象に残っています。今回「deaf」について調べてみる気になったのも、『セサミストリート』で使われているんだったら使っても大丈夫な言葉なんじゃないか?と思ったからです。
調べてみると、日本語のページでは、『英辞郎』に結構詳しい説明がありました。
「deaf」について、「この概念は、かつてhearing-impairedと言い換えられた。その時点ではdeafという語は不適切だと主張された。」と書かれています。
どのような立場の人が「不適切だと主張」したのかがはっきりしないのですが、ほかのページの情報によれば、当事者であるDeafコミュニティーは、早い時期から「hearing-impaired」という言い換えを受け入れてはいなかったようです。
ちなみに、「deaf」と違って「deaf-mute」は、現在「不適切な用語」です。
deafの意味・用例|英辞郎 on the WEB:アルク
hearing-impairedの意味・用例|英辞郎 on the WEB:アルク
deaf muteの意味・用例|英辞郎 on the WEB:アルク
Community and Culture - Frequently Asked Questions | National Association of the Deaf
全米ろう協会のFAQページです。各種用語の解説があります。
伊藤泰子「聞こえない人と呼ぶことは何が悪いか」(What’s wrong with the calling name “hearing-impaired”?)
Introduction to American Deaf Culture - Thomas K. Holcomb - Google ブックス
44ページの「Hearing-Impaired」の項に、この用語が作られたがDeafコミュニティーは受け入れなかったことが書かれています。
The Deaf Community in America: History in the Making - Melvia M. Nomeland, Ronald E. Nomeland - Google ブックス
74ページに、「hearing impaired」は1970年代には「politically correct term」だったと書かれています。