発達障害と面白変人
5月25日の『あさイチ』で、「どう向き合う? 夫の発達障害」という内容が放送されました。ゲストとして出演した栗原類さんが、自らが発達障害者であることを公表し、体験などを語っています。
この件で、発達障害を公表するとキャラをいじりにくくなるのではないかというようなコメントをいくつか見かけました。
栗原類さん自身は、ブログで次のように述べています。
僕の行動に関して今まで面白いとバラエティで笑ってくれた方々、
僕が発達障害者だと知ったから”笑っちゃいけない”とは思わないでください。
僕が発達障害者であっても、そうでなくても僕は僕だし
僕の個性が人を笑わせられるほど面白いのであれば
それはコメディ俳優を目指している僕にとっては本望です。
以前ツイッターでちょっと書いたのですが、明示はされていないものの、主人公が発達障害ではないかと思わせる、『犬神もっこす』というマンガがあります。プロローグ的内容の『劇研もっこす』がネットで公開されています(単行本ではなぜか1巻ではなく3巻に収録)。
西餅『劇研もっこす』
面白変人と振り回される愉快な仲間たちというギャグ漫画の王道ではあるのですが、母親の苦悩など、妙に重苦しい部分もある作品です。
2ちゃんねるのスレッドでは、主人公の犬神君を発達障害と見るかどうかは、意見が分かれていました。
【西餅】犬神もっこす【モーニング】
このスレッドでは、障害だとしたら笑っていいのかという問題については、たとえば次のような意見があります。
172 :名無しんぼ@お腹いっぱい:2012/10/05(金) 13:11:09.35 ID:6ApZBEcFO
あすぺるがーって何?
病気設定なら、そう打ち出すでしょ。
コメディである以上、主役は「変わった人」が限度で、
病気の人を笑うんだったら人権問題だよ(笑)
個性か病気か選択か。「新型うつ」「マインドコントール」「ギャンブル依存症」…etc(前編) - 見えない道場本舗
また、こちらのブログでは、『犬神もっこす』などマンガ4作品をあげ、次のように述べています。
彼らが巻き起こす珍妙な騒動や、周囲とのズレが産む笑いや驚き、時には感動は「個性なら笑いや敬服の対象だが、病気なら違う」のか「病気でも個性でも、結果としては変わらない」のか。
何が笑ってよくて何が笑っちゃいけないのかというのは難しい問題ですが、笑いの対象が障害者かどうかよりも、笑いの種類(嘲笑なのか、そうでないのか)が重要なのかもしれません。
まだ社会が発達障害という概念に慣れていないための戸惑いもあると思うので、これからの栗原類さんの活躍などによっても、状況は変わってゆきそうです。