北村紗衣氏の発言を紹介した記事がわかりにくい件
北村紗衣准教授、”男性皆殺し協会” 紹介記事の反応に「去勢におびえる男性陣」「びびるだろうね!楽しいな!」現在は削除済み - MGTOW NEWS
こちらの記事の件です。
次の記事でも上記記事が紹介されています。
北村紗衣・北守・牟田和恵・古谷有希子各氏の過去発言|喜多野土竜|note
タイトルを見ると、「去勢におびえる男性陣」「びびるだろうね!楽しいな!」という発言が削除済みで読めなくなっているようにも思えますが、そうではありません。
取り上げられている北村氏のブログ記事・ツイートは、次の三件です。
A:『男性根絶協会マニフェスト』*1の紹介記事 2009年 著作権侵害のため削除
削除理由の説明:https://twitter.com/Cristoforou/status/1374711272608985088
B:「去勢におびえる男性陣」*2 2009年 2009年の映画をふりかえる - Commentarius Saevus
C:「びびるだろうね!楽しいな!」 2011年 https://twitter.com/Cristoforou/status/37849635515142144
*1 「男性根絶協会マニフェスト」は北村氏による訳題、「男性皆殺し協会マニフェスト」は『MGTOW NEWS』による訳題。
*2 正確には「去勢の恐怖におびえた男性陣」。
『MGTOW NEWS』記事本文では次のように書かれています。
「武蔵大学人文学部の北村紗衣准教授が、自身のブログ上に公開したSCUM Manifesto (男性皆殺し協会マニフェスト) 紹介記事の反応に対して、「ソラナスがあまりに怖かったようで、去勢の恐怖におびえる男性陣からコメントを頂いた」「(紹介記事を見た人は)びびるだろうね!楽しいな!」と投稿していたことがわかった。*1なお、該当のブログ記事はすでに削除されている。」
「該当のブログ記事」とはAのことで、「去勢の恐怖におびえた男性陣」という記述のあるB(ブログ記事)と「見た人はびびるだろうね!楽しいな!」という記述のあるC(ツイート)は現在でも見れます。
『MGTOW NEWS』では、「去勢におびえる男性陣」の後に「びびるだろうね!楽しいな!」とあるので、男性陣がおびえることを喜んでいるようなニュアンスに読めてしまいますが、北村氏のブログ記事では、次のように続いています。しばらく話題を変えるという内容で、喜んでいるというニュアンスは無いように感じます。
2009年の映画をふりかえる - Commentarius Saevus
「昨日まで二連続で訳したソラナスがあまりに怖かったようで、去勢の恐怖におびえた男性陣からコメントを頂いたりしたので、今日から数日間、ちょっと気楽な内容を…」
…うちのブログにも「セックス」で検索してくる人がたくさんいるのだが、だいたいひっかかってくるのはヴァレリー・ソラナスの「男性根絶協会マニフェスト」の翻訳だろうから、見た人はびびるだろうね!楽しいな!
— saebou (@Cristoforou) February 16, 2011
このツイートに関しては複数の論点があると思いますが、ここでは検索語ツッコミ紹介について述べます。
『MGTOW NEWS』記事では「「セックス」で検索」という部分は紹介されていませんが、「セックス」で検索してしてきた人が、思いもしないものを読んでしまってびびっているのを想像し、面白がっているツイートです。
現在では、アクセス解析を行ってもごく一部の検索語しかわからないようになりました。かつてはよく見かけた検索語ツッコミ紹介は、廃れてしまっています。
検索が下手で思わぬページにたどり着く人を面白がるのは検索強者による上から目線で悪趣味だと言われたら、まあそれはそうなんですが、わたしは検索語ツッコミ紹介が好きで、いろんなサイトのものを読んでいました。ストレートすぎるエロワードでの検索や、うちにはそんなもの無いよっていうサイトにやってくるというのは、ベタな定番ネタでした。
わたしは今のところ、検索語ツッコミ紹介をやってはいけないことだとは思っていませんが、モラルのアップデートが必要な場合もありますし、今後も考え続けたいとは思っています。
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「斎藤次郎さん… いったい何者なのだ…」
『アオイホノオ』15巻、新人賞の選評でほめられたホノオモユルはこう思います。
「知らん… この…俺を一番ほめてくれている斎藤次郎さん… いったい何者なのだ… 漫画界とどういうつながりを持った人なのだ!?」
一応、「※斎藤次郎氏は、教育評論家、漫画評論家、漫画原作者です。」という注記はあるのですが、いったい何者なのか?
斎藤次郎 (教育評論家) - Wikipedia
●「ぼくら語り」の夜明け・前編: たけくまメモ
●「ぼくら語り」の夜明け・後編: たけくまメモ
斎藤次郎、真崎守(峠あかね)トークイベント「「COM」のコミュニケーション」 - 宮本大人のミヤモメモ(続)
「COM」のコミュニケーション - Togetter
斉藤次郎、真崎守(峠あかね)トークイベント | mixiユーザー(id:137593)の日記
斉藤次郎『共犯の回路』(73年):夏目房之介の「で?」:オルタナティブ・ブログ
ロッキングオンの時代●第三章●時代の風|橘川幸夫|note
座談会「まんがいのちかしょっぱいか」 真崎守とその他一同|橘川幸夫|note
[amazon] 日本のZINEについて知ってることすべて: 同人誌、ミニコミ、リトルプレス―自主制作出版史1960~2010年代
インタビューが載っています(264-266ページ)。
マンガ研究 vol.22 - ゆまに書房
「屈折するマンガ言説─斎藤次郎、その可能性の中心─」(可児洋介)が載っています。研究する側ではなくされる側です。
[amazon] 私の「ルパン三世」奮闘記: アニメ脚本物語
テレビアニメになる前の、実現しなかった劇場版アニメ企画に関わっていたそうです。
[amazon] 気分は小学生―百石小学校四年竹組留学記 (今ここに生きる子ども)
50歳を過ぎてから、小学四年生のクラスに「留学」しています。
大麻報道センター - 産経的大麻報道
2007年には大麻所持で逮捕。
被告人質問では、「大麻には意識の拡張作用があり、心を豊かにする。自分や周りを深く知るために役立つ」と述べています。
斎藤次郎さん… いったい何者なのだ…
「マウンティング(人間)」の用例:1979-2008
『マウンティング』はなぜ流行してるの?
Nagise氏以降はこちらにまとまっているので、「マウンティングみたいな」というような比喩としての使い方も含め、それ以前の用例を紹介します。
Architecture and urbanism - Google ブックス
1979年
「敗戦と言う
弱味につけ込んでマウンティングされてしまった」
諸君 - Google ブックス
1996年
「政界サル山の権力争奪戦で、小沢にマウンティングされた過去があるからだ。」
https://twitter.com/mcym163/status/976341781536112640
町山広美氏 『CREA』 1999年6月号
「マウンティングみたいな機能」
翻訳会社徹底比較スレ 2nd round
2005年
「小山の大将やボス猿になりたがるやつっているよね。
(中略)
サルと仕事をするかしないかは
マウンティングの例を書き込んでくれれば
あとは読んだ側が判断すればいいと思う。」
飯を喰う時足組むな!
2006年
「向かい相手の方より自分が上だというマウンティング」
マウンティング until:2008-09-20 - Twitter検索
動物の話が多いのですが、人間の例もあります。
本の幅広帯リンク集
朝日文庫『悪人』(吉田修一)から広まった、ほぼ全面の帯と、それ以前からある幅広帯に関するリンク集です。
帯 (出版) - Wikipedia
「新書」編集長に聞く 第12回 生活人新書編集長 林史郎さん
「 帯が広い新書というのは、当初、私たちだけでした。」とあります。
非属の才能全帯絵の謎 | リゾート計画
『非属の才能』著者、山田玲司氏のブログ記事。
編集者 柿内芳文氏の伝説のエピソードを振り返る - ログミーBiz
『非属の才能』の帯について、著者と編集者が語っています。
#非属の才能を届けたい キャンペーン | 書籍販売部 | 光文社
2018年の重版で、『非属の才能』に新しい全面帯ができています。
それまでの全面帯は、「現在のカバー」と呼ばれています(その下に本来のカバーがあるのかは不明)。
(本の舞台裏)首まで届く「腰巻き」:朝日新聞デジタル
[リンク切れ] http://www.asahi.com/articles/DA3S10921366.html
苦境の新書救世主!? 表紙カバー? いいえ「特大帯」なんです(1/3ページ) - 産経ニュース
文庫全面カバー帯 定着 : ライフ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
[リンク切れ] http://www.yomiuri.co.jp/life/book/news/20160518-OYT8T50016.html
おすすめ文庫王国2017 - 本の雑誌社の最新刊|WEB本の雑誌
目次によれば、「 悪人帯って何? 各社の文庫幅広帯徹底比較!」(高頭佐和子)という記事があります。
【特別版】光文社新書・三宅貴久編集長に聞く! | 連載コンテンツ | 角川新書
【2016年11月刊オススメ】『ヒットの崩壊』(講談社現代新書) | 連載コンテンツ | 角川新書
1971年の『沈黙』(遠藤周作)が全面帯の本として紹介されています。
全面帯とカバーの違いについての説明はありませんが、はずしても商品として成り立つ場合は帯、という判断ではないかと思われます。
新書―テーマ・タイトルをどう決めるのか :: デイリーポータルZ
新潮文庫の100冊 - Wikipedia
2000年の企画「新潮文庫20世紀の100冊」では、本来のカバーの上に企画のカバーがかかっていました。
当時、公式サイトには「特製ダブルカバー」「特製カバー」とあり、帯とは呼ばれていません。
『真田丸』ファンにおすすめの籠城戦ドラマ『反乱のボヤージュ 2001年の学生運動』
※2016年に書いた記事を少し修正しました。
『真田丸』が大詰めを迎えていますが、先日、#真田丸を楽しむために良い攻城戦映画を紹介するというハッシュタグができていました。
まとめはこちら。
このタグでわたしが思い出したのは、城でもないし映画でもないんですが、『反乱のボヤージュ 2001年の学生運動』です。
はやりに乗り遅れる形でツイートしましたが、もう少し詳しく紹介してみます。
反乱のボヤージュ - Wikipedia
この作品の出演者は、岡田准一、渡哲也、堺雅人、岡本健一、津川雅彦ほか。なかなかの戦国感です。
大河ドラマでの配役は次の通り。
岡田准一:黒田官兵衛(『軍師官兵衛』2014年)
渡哲也 :織田信長(『秀吉』1996年)
堺雅人 :真田信繁(『真田丸』2016年)
岡本健一:毛利勝永(『真田丸』2016年)
津川雅彦:徳川家康(『独眼竜政宗』1987年、『葵 徳川三代』2000年)
このドラマは、首都大学弦巻寮と大学側の対立の物語です。以下、登場人物を紹介します。
坂下薫平(岡田准一)
主人公。
司馬英雄(八嶋智人)
弦巻寮自治委員会委員長。
原作では、「名前が英雄だから、司馬遼太郎の作品に出てくる時代劇ヒーローをイメージするかもしれない。」と書かれています。作者も時代物を意識しているようです。
本多真純(山口紗弥加)
弦巻寮自治委員会副委員長。
「(食堂は)弦巻寮を守る外堀なの。そこを埋められたら、やつらは一気に攻め込んでくる」。比喩も城っぽい。
江藤麦太(堺雅人)
麦太の父は元活動家で、その後も当局に監視され細々と暮らしています。九度山状態。
親子二代の反逆者で、学長補佐から「父子鷹」と形容されています。
若き日の堺雅人さんが演じる激昂するキャラ麦太は、このドラマの見所の一つです。
神楽敏章(岡本健一)
このドラマでは籠城側ではありません。
宅間学長補佐(津川雅彦)
当時2ちゃんねるで「家康と同じ台詞回しだ」(474)と書かれています。
反乱のボヤージュ ~2001年の学生運動~
名倉憲太朗(渡哲也)
もうひとりの主人公ともいえる人物。
学長補佐から送り込まれた寮の舎監。元機動隊員で活動家の学生をボコボコにしてきた男。
薫平に対し、「反骨というものを気取ってる皆さんを、この寮から叩き出してやります」と言い放ちます。
残念ながらDVDは出ていないのですが、機会があったら観てみてください。
今回検索してみるまで知らなかったのですが、原作・脚本の野沢尚さんは、2004年に亡くなられていました。原作は今でも重版されているようです。
野沢尚 - Wikipedia
野沢尚公式ブログ: 「反乱のボヤージュ」重版
以下、ネタバレのため行を開けます。
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司馬英雄は冒頭からボンクラ描写が繰り返されます。あからさまに伏線です。
伏線回収はぎりぎりまで引っぱられ、終わり間近に文字通り英雄(ヒーロー)として帰ってきます。
【感想】『難船ス物語 第壱篇 猿ヶ嶋』
※2017年に書いた記事から分割して、加筆修正しました。
animation.filmarchives.jp
1930年(1931年説もあり) 原作 脚色:清水秀雄 漫画製作:政岡憲三
※以下、ラストまでストーリーに触れていますのでご注意を
久しぶりに観たんですが、改めて観返すと、意外と暗い話です。
猿たちに育てられた少年が、尻尾がないことでからかわれ暴力的な反撃をします。
セリフ字幕が少なく動きで表現されている部分が多いので、双方がどの程度悪質なのかはっきりわからない部分もあるんですが、主人公の椰子の実攻撃は相手が死にかねないレベルだし無差別攻撃だし、ちょっとひどいんじゃないかと思いました。
でも、確かに猿のからかいはひどくて、椰子の木から落ちた主人公の歩き方をマネする部分はかなり陰湿です。
しかしさらに遡ると、主人公のせいで猿の頭にコブができたのにヘラヘラしてます。結論としてはどっちもひどい。
検索してみたら、わたしのほかにも主人公をひどいと思っている人がいました。
https://twitter.com/Shimo_x2/status/266452143349850112
難船ス物語 - Wikipedia
政岡憲三 - Wikipedia
ウィキペディアでは原作・脚本の「清水秀雄」からプロ野球選手のページにリンクされているんですが、1918年生まれなので同姓同名の別人ではないでしょうか。
戦前日本におけるアルベール・ロビダ原作アニメ - researchmap
こちらの記事によれば、アルベール・ロビダの『ファーランドール廻国記』(Voyages tres extraordinaires de Saturnin Farandoul)を原作としたイタリア映画があり、それを下敷きにしたアニメが『難船ス物語 第壱篇 猿ヶ嶋』だということです(クレジットは無し)。
アルベール・ロビダ - Wikipedia
Voyages très extraordinaires de Saturnin Farandoul — Wikipédia
YouTubeで見てみると、確かに冒頭の部分は『猿ヶ嶋』にそっくりです。
それ以降の海底シーンや空中シーンに比べると、冒頭の猿のシーンにはあまり力が入っていないように感じました。猿を演じる役者は、全身タイツのようなものに申し訳程度に尻尾などをつけています。
『猿ヶ嶋』と同じく猿による無尻尾差別があるものの、主人公は猿と争わず島を出ます。