https://twitter.com/ozasikigodzilla/status/1090911022175551488
こちらのツイートで、1968年のテレビドラマ『無敵わんぱく』オープニングに出てくる「ちのぽい」という言葉を知りました。
無敵!わんぱく - Wikipedia
『となりのたまげ太くん』や『ボクちゃんの戦場』にも出てくるそうです。
少し調べてみたんですが、言葉の意味は分かりませんでした。
言及している人は多いんですが、由来がはっきりわかる情報が見当たりません。
歌の一部のようで、「ちなぽい」「ちなぱい」などのバリエーションがあります。
情報は、こちらのページがまとまっています。
母が昔から口ずさんでいる謎のフレーズなのですが「ちーちーちなぽい な... - Yahoo!知恵袋
上記ページからリンクされているページ(リンク切れ)によれば、『怪物くん』にも出てきます。
主に九州で知られているようですが、長野県でも伝わっていて、佐久地方のわらべ唄を集めた次の本には「ちんちんちなぽい」が収録されています。
佐久地方のわらべ唄 : 総集編/1982.1
たまげ太くん 歌詞「五十嵐洋子」ふりがな付|歌詞検索サイト【UtaTen】
Amazonのページで、冒頭部分の試聴ができます。
Amazon | 石ノ森章太郎 アニメワールド
テレビ視聴:「ゲゲゲの鬼太郎」、八百八狸・後編、平成のまとまり。ちんちんちなぱいぽ。 | 素浪人・サンダルニャーゴの日々
去年の『ゲゲゲの鬼太郎』で、砂かけばばあが呪文「ちんちんちなぱいぽ」を唱えていたそうです。
YouTubeに「ちんちんちなぽい」を歌っている動画がありました。
「NERD」は「マヌケ」か?
一昨年、『月曜から夜ふかし』の「Tシャツに書かれた英語の意味を教えてあげたい件」で、「NERD」の意味を「マヌケ」と言っていました。
ツイッターでは、「マヌケ」じゃなくて「オタク」じゃないのかという意見がいくつか出ています。
月曜から夜ふかし NERD since:2017-08-14 until:2017-08-31 - Twitter検索
2017年の時点で「NERD」の意味を「マヌケ」とだけ説明するのは変だと感じますが、「NERD」の意味が「マヌケ」というのはまったくの間違いともいえません。
1983年の坂下昇『現代米語コーパス辞典』( 講談社現代新書)では、「nerd」を「いやな奴,鈍感で分かっちゃいない奴」としています。
「オタク」と「nerd」は、現在ではかなり意味が近づいていますが、「nerd」の意味の変遷は大きく、元々はかなり違う言葉です。
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1984年のアメリカ映画に『ナーズの復讐』があります。
ナーズの復讐 集結!恐怖のオチコボレ軍団 の レビュー・評価・クチコミ・感想 - みんなのシネマレビュー
このページで、ぐるぐる氏と民朗氏がナーズ(nerdの複数形)について説明しています。
民朗氏が、
「ただ一言にオタクと言ってもこのナーズという英語は結構色々な人々を指す言葉でして、劇中でナーズに分類されているのは1.ガリ勉、2.スラッガー(所謂落ちこぼれ)、3.オカマちゃん、4.日本人(これはひどい)、5.コンピュータおたく、等々です。つまり社会で暗黙に推奨されているロールモデルから少しでも外れた人たち全てを指すわけです。」
と書いているように、この映画のナーズは多様な人々です。
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2013年には『King of The Nerds』というテレビ番組が作られました。
司会者は、『ナーズの復讐』の出演者であるロバート・キャラダイン氏とカーティス・アームストロング氏。
内容は、Nerdvanaに集められたオタクたちが、King of The Nerds(オタクの王)の座をかけて、クイズやゲームで競い合うというものです。
この番組からは、「nerd」が「オタク」に近づいていることが感じられます。
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シネマ解放区×本当は面白いアメリカンコメディ ナーズの復讐 シリーズ一挙放送 | 洋画専門チャンネル ザ・シネマ
King of the Nerds - Wikipedia
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ここまで書いたあとで英和辞典も調べてみたところ、オタクという意味の記載が不十分なものも見られました。
たとえば、研究社『新英和中辞典』では、
1 無能な人,まぬけ.
2 仕事にばかり熱中していて社会性のない(つまらない)人.
となっています。
「a computer nerd コンピューターおたく.」という用例はあるのですが、語釈からは「おたく」という意味があることがわかりません。
nerdの意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書
『英辞郎』では、「おたく」という意味を最初に挙げています。
nerdの意味・使い方|英辞郎 on the WEB:アルク
【メモ】「執事といえばセバスチャン」
note.mu
こちらの記事を読んで、「執事といえばセバスチャン」について少しだけ調べてみました。
『TV Tropes』で探してみると、正式な項目ではないんですが、次のページが見つかります。
All Butlers Are Named Sebastian In Japan - TV Tropes
ヴィクトリア時代には執事は名字で呼ばれたが、セバスチャンは普通はファーストネームなので執事っぽくはないとのこと。
『TV Tropes』では、こちらのフォーラムでも議論されています。
Japanese Butlers Named Sebastian? - TV Tropes Forum
「執事といえばセバスチャン」に関して、海外では『らき☆すた』が結構知られているようです。
フィクションの執事一覧(ウィキペディア英語版)。
List of fictional butlers - Wikipedia
日系アメリカ人と醤油かけご飯
Why do the Japanese consider putting soy sauce on rice to be barbaric? | Yahoo Answers
醤油かけご飯は日本人から変な目で見られるので、質問者の父(日系二世)は日本の親戚の前では決して食べなかったとのこと。
日本人と日系人の間で、醤油かけご飯への許容度がかなり違うというのは興味深い話です。
ハワイの食文化を知ろう!ロコはみんな醤油かけご飯が好き?【ハワイに住む方法vol.14】 | P・H
White Rice (with Soy Sauce) | Little Lily, Big World
白人家庭で養子として育った中国系女性が、アジア系の人が集まった場で、白人文化(“white person thing”)である醤油かけご飯を食べて驚かれるというエピソード。
醤油かけご飯 - Wikipedia
【メモ】獅子文六と自閉症
獅子文六のエッセイに、自閉症を話題にしたものがあります。
近年は自閉症などの発達障害が広く知られるようになり、言及されることも多いですが、1965年当時は、かなり珍しいことだったのではないかと思います。
エッセイは「自閉児」というタイトルで、『獅子文六全集』第12巻(朝日新聞社 1969年)に収録されています(初出は「昭和四十年八月・太陽」)。
「Y紙に、自閉症の児童のために、幼稚園があるという記事が出ていた。」とあり、新聞記事を読んでの感想として、「おれも、真症の自閉児だったのか……」などと書かれています。
『デビルマン』第5巻の修正部分
※2002年ごろ書いた文章です。
文庫の『デビルマン』第5巻を古本屋で購入。
これの親本である愛蔵版が、オリジナル版と『新デビルマン』と新作部分を再構成したものであるというのは知っていたんですが、読んでみて愕然としました。オリジナル部分の顔も違うんですよ。
気になって、オリジナル版と比較してみると、鼻だけ描き換えるなどの微妙な修正が大量にあります。
修正部分をチェックしていて、すでにネット上にはリストがあるのではないかと思い探してみると、
『ビバ!ダイナミック』の次のページにありました。
http://www.asahi-net.or.jp/~WX5H-KTB/gofo/devarie5.html
わたしが気付かなかった部分もありました。
逆に、リストになかったものは、次の部分です。
同じサイズになるようにコピーして重ねてみれば、
もっと見つかるかもしれません。
ページ | コマ | 修正部分 |
64 | 3 | 明の鼻・首・胸 |
64 | 5 | 明の首 |
68 | 4 | 了の髪・鼻・顔の輪郭・首 |
93 | 2 | 美樹の目 |
100 | 1 | 明の左目周辺 |
105 | 3 | 明の右目周辺・顔の輪郭 |
111 | 2 | 明の右目周辺 |
112 | 3 | 明の首・髪・両眉 |
【2019年追記】
当時の文庫は全5巻でした。
64ページ3コマ目の胸のあたりの描き加えは、右腕かもしれません。
元号案「シスコおばQガム」と「ロッテオバQガム」
元号は「令和」になり、「シスコおばQガム」は今回も落選しました。
「シスコおばQガム」というのは、星新一氏による元号案です。
『SF作家オモロ大放談』収録の座談会で、次のように提案されています。初出は1969年のようです。
筒井 明治があるんだから、森永があってもいいな。森永三十年、ロッテ五年(笑)。
星 シスコおばQガム二十年、怪物くんチョコ元年(笑)。コカ・コーラ四十五年なんてのはどうだね(笑)。
小松 売国奴になるな(笑)。
未見なんですが、昨年3月22日の『ビーバップ!ハイヒール』で筒井康隆氏がこの件(かどうか微妙ですが)に言及しています。
ネット上の情報によると、筒井氏が「森永」、小松氏が「モロゾフ」、「星(新一)さんにいたってはロッテオバQガム元年」という内容だったようです。
昭和が終わるころの話ということだったらしいのですが、20年ほどたってから同じような会話が行われたのか、筒井氏の記憶違いなのかは不明です。社名もシスコからロッテに変わっています。
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『SF作家オモロ大放談』は、1976年、いんなあとりっぷ社刊。
1981年に、『おもろ放談』のタイトルで角川文庫(びっくり文庫)に収録。
近年では、『小松左京全集完全版』第44巻(2014年)に収録されています。