日系アメリカ人と醤油かけご飯


Why do the Japanese consider putting soy sauce on rice to be barbaric? | Yahoo Answers
醤油かけご飯は日本人から変な目で見られるので、質問者の父(日系二世)は日本の親戚の前では決して食べなかったとのこと。
日本人と日系人の間で、醤油かけご飯への許容度がかなり違うというのは興味深い話です。

ハワイの食文化を知ろう!ロコはみんな醤油かけご飯が好き?【ハワイに住む方法vol.14】 | P・H

White Rice (with Soy Sauce) | Little Lily, Big World
白人家庭で養子として育った中国系女性が、アジア系の人が集まった場で、白人文化(“white person thing”)である醤油かけご飯を食べて驚かれるというエピソード。

醤油かけご飯 - Wikipedia

【メモ】獅子文六と自閉症


獅子文六のエッセイに、自閉症を話題にしたものがあります。
近年は自閉症などの発達障害が広く知られるようになり、言及されることも多いですが、1965年当時は、かなり珍しいことだったのではないかと思います。

エッセイは「自閉児」というタイトルで、『獅子文六全集』第12巻(朝日新聞社 1969年)に収録されています(初出は「昭和四十年八月・太陽」)。
「Y紙に、自閉症の児童のために、幼稚園があるという記事が出ていた。」とあり、新聞記事を読んでの感想として、「おれも、真症の自閉児だったのか……」などと書かれています。

『デビルマン』第5巻の修正部分


※2002年ごろ書いた文章です。

文庫の『デビルマン』第5巻を古本屋で購入。
これの親本である愛蔵版が、オリジナル版と『新デビルマン』と新作部分を再構成したものであるというのは知っていたんですが、読んでみて愕然としました。オリジナル部分の顔も違うんですよ。
気になって、オリジナル版と比較してみると、鼻だけ描き換えるなどの微妙な修正が大量にあります。
修正部分をチェックしていて、すでにネット上にはリストがあるのではないかと思い探してみると、
ビバ!ダイナミック』の次のページにありました。
http://www.asahi-net.or.jp/~WX5H-KTB/gofo/devarie5.html
わたしが気付かなかった部分もありました。
逆に、リストになかったものは、次の部分です。
同じサイズになるようにコピーして重ねてみれば、
もっと見つかるかもしれません。

ページ コマ 修正部分
64 3 明の鼻・首・胸
64 5 明の首
68 4 了の髪・鼻・顔の輪郭・首
93 2 美樹の目
100 1 明の左目周辺
105 3 明の右目周辺・顔の輪郭
111 2 明の右目周辺
112 3 明の首・髪・両眉


【2019年追記】
当時の文庫は全5巻でした。
64ページ3コマ目の胸のあたりの描き加えは、右腕かもしれません。

元号案「シスコおばQガム」と「ロッテオバQガム」


元号は「令和」になり、「シスコおばQガム」は今回も落選しました。

「シスコおばQガム」というのは、星新一氏による元号案です。
『SF作家オモロ大放談』収録の座談会で、次のように提案されています。初出は1969年のようです。

筒井 明治があるんだから、森永があってもいいな。森永三十年、ロッテ五年(笑)。
 シスコおばQガム二十年、怪物くんチョコ元年(笑)。コカ・コーラ四十五年なんてのはどうだね(笑)。
小松 売国奴になるな(笑)。


未見なんですが、昨年3月22日の『ビーバップ!ハイヒール』で筒井康隆氏がこの件(かどうか微妙ですが)に言及しています。
ネット上の情報によると、筒井氏が「森永」、小松氏が「モロゾフ」、「星(新一)さんにいたってはロッテオバQガム元年」という内容だったようです。

昭和が終わるころの話ということだったらしいのですが、20年ほどたってから同じような会話が行われたのか、筒井氏の記憶違いなのかは不明です。社名もシスコからロッテに変わっています。



『SF作家オモロ大放談』は、1976年、いんなあとりっぷ社刊。
1981年に、『おもろ放談』のタイトルで角川文庫(びっくり文庫)に収録。
近年では、『小松左京全集完全版』第44巻(2014年)に収録されています。

SF作家オモロ大放談 (1976年)

SF作家オモロ大放談 (1976年)

 
おもろ放談―SFバカばなし (1981年) (角川文庫)

おもろ放談―SFバカばなし (1981年) (角川文庫)

 
小松左京全集完全版 44 SF作家オモロ大放談

小松左京全集完全版 44 SF作家オモロ大放談

 

「わかりる」の1950年代の用例3件


togetter.com

このtogetterのブックマークコメントに書いた内容に書き加えました。

togetterでは、トニー谷の歌「こんなに變るものかしら」(三木鮎郎作詞 1955年)の歌詞にある「さんざん分りる事ざんす」が紹介されているので、それ以外の用例を探してみました。
Googleブックスで検索すると、1950年代と思われる次の二件が見つかります。文字化けはそのまま引用します。

Memoirs of the Osaka University of Liberal Arts and education: Humanistic ... - Ōsaka Gakugei Daigaku - Google ブックス
大阪学芸大学(現・大阪教育大学)の1955年の紀要だと思われます。
「「わかる」という互差推三 を上一段に歪めて「わかりる」といぅのも東京の一部芸舵人である」とあります。

前衛 - Google ブックス
日本共産党の機関誌『前衛』 第124-129号(たぶん1957年)のいずれかの号と思われます。
いま若い阀のなかに、「わかりる」という言葉が流行している」とあります。

https://twitter.com/kaichosanEX/status/1098888698739879936
こちらのツイートでは、『新修隠語大辞典』に1955年の用例が載っていることが紹介されています。

『新修隠語大辞典』って初めて知ったんですが、面白いので図書館に行ったときにパラパラと流し読み中です。

新修隠語大辞典

新修隠語大辞典

 

【メモ】「同人誌」に「どうにんし」という読み方はあるのか?


「同人雑誌」は「どうじんざっし」と読むのが普通だと思いますが、辞書によれば「どうにんざっし」という読み方もあります。
『日本国語大辞典』では、「どうにんざっし」という読みでの用例として、一瀬直行『彼女とゴミ箱』(1931)を挙げています。
同人雑誌(どうじんざっし)とは - コトバンク

「同人雑誌」という、「同人誌」より古い感じの言葉が、現在、会話でどの程度使われ、どう発音されているのかは知らないのですが、「どうにんざっし」は、現在では廃れてしまった古い読み方ということなんですかね?



「同人誌」という言葉がいつからあるのかは、よくわかりません。『日本国語大辞典』では、見出しに立てられてすらいません。「同人雑誌」よりは新しい言葉なのではないかと思います。

では、「同人誌」にも二種類の読み方があるのか?

斎藤昌三『閑板 書国巡礼記』(1933年)には、「同人雑誌」と「同人誌」の両方の用例があります(東洋文庫版で確認)。
1933年にすでに「同人誌」という言葉があるので、「どうにんし」と発音する人もいたかもしれません。「どうにんし」の古い用例を探しているのですが、今のところ見つかりません。

「レタスの花言葉は牛乳」を遡る


www.netlorechase.net

こちらの記事のコメント欄に書いたことに、最近調べたことを付け加えて書きました。

Googleブックスで「レタス 花言葉 牛乳」を検索すると見つかる次のページには、
「つめたい愛情」(英〕、「牛乳」、「栄養」、「幼児」(仏)の意味になっていて、いずれも牛乳に関係している。」
とあります。
1964年に発行された『特集雑誌 自由國民』特別号「現代の名言と古典の挿話」という本のようです。
Gendai no meigen to koten no sōwa - Google ブックス

「いずれも牛乳に関係している。」の先は、「「つめたい愛情」というのは牛乳で赤ん坊を育てる母親の愛情を意味しているらしい。」と続いています。
Gendai no meigen to koten no sōwa - Google ブックス

本の現物を確認しないとはっきりとしたことは言えませんし、本当にフランスで花言葉が牛乳などになっている(いた)のかもわかりませんが、日本での言及は50年以上遡れそうです。

ここまでがコメント欄で書いた内容です(加筆修正しています)。

最近、国会図書館サーチで調べてみたところ、目次欄に「誕生石と花言葉の解説 六九話 春山行夫〔文化史研究家〕」とあるので、著者は春山行夫氏らしいことがわかりました。
現代の名言と古典の插話 (自由国民社): 1964|書誌詳細|国立国会図書館サーチ

春山行夫 - Wikipedia
春山氏には『花ことば』(1958年 東都書房)という著作もあるので確認してみると、「イギリスでは「つめたい愛情」、フランスでは「牛乳」、「栄養」、「幼児」をあらわしている。」(223ページ)と書かれていました。日本での言及は60年以上遡れることになります。
この本と同じ内容なのかは確認していませんが、平凡社ライブラリーからも春山氏の『花ことば』が出ています。近年インターネットで言及され始めたのは、そこが情報源になっているのかもしれません。