例の「児童ポルノ」CGは明らかにアウトだとは思うのですが


「児童ポルノ」CG裁判の二審判決が出ました。
「写真参考のCGでも児童ポルノ」2審も有罪判決 | NHKニュース

すでに多くの人が指摘しているように、この件は、肖像権・著作権的にアウトだと思っています(日本では肖像権は明文化されていないという問題はさておき)。
それがCGと児童ポルノの問題になっているところが悩ましい点です。
アウトだと思うのは、実在人物の写真が元になっているからで、非実在だったら話は別、という点は強調しておきたいと思います。

初期報道では、写真をスキャンして加工したとされていましたが、実際はそうではなかったようです。
したがって、制作の手順としては加工ではなく、一から描いたというのも間違いとは言えないのですが、内容の点からいえば、元写真にかなり依拠したものがあります(とくに顔)。

はてなブックマーク - CGも児童ポルノ、写真以外で全国初摘発 デザイン業の男逮捕 - MSN産経ニュース
2013年の報道。記事自体は消えています。
「少女の写真をスキャナーでパソコンに取り込み」とあるのですが、弁護士ドットコムの記事によると、「「私は参考写真と言ったのに、刑事に『結局素材なんでしょ?』と言われ、調書には素材だと書かれた」などと話した。」ということだそうです。

はてなブックマーク - CG画像児童ポルノ初摘発の波紋 | 東スポWeb - 東京スポーツ新聞社
記事自体は消えています。
この問題を考えるのには画像が必要だと思うのですが、報道ではほとんど出てきません。児童ポルノや児童ポルノの疑いがあるものは載せられないですし、モデルの女性への配慮の問題もあるのでしょうが、画像がないことで分かりにくくなっています。
マスコミ報道で画像が載っていたのは、東スポのこの記事ぐらいかもしれません。画像は被告人(当時は容疑者)のサイトのスクリーンショットで、CGの顔の部分が載っています。

被告人のサイト(現在は消えています)には、次のように書かれていました。モデルが誰かわかるような画像だったことが示されています。
「1980年代の一時、まばゆい光彩を放ちながら儚く消えていった幾多の少女像。 いま精緻な描写のイラストが、それら幻の少女像を鮮やかによみがえらせる—。」
「Q2.『聖少女伝説』で取りあげてるモデルは誰と誰ですか?
A2.モデル名を明示することはご容赦ください。
   ただ、取りあげているモデルは7人で、上記サンプル、およびバナー等で7人が誰かおわかりいただけると思います。」

「理想の人体を描きたい」CG児童ポルノ裁判の被告人が語った「聖少女」を描くワケ - 弁護士ドットコム
「その点について、男性は「顔には記号性があります。誰かの顔に近づけないと、顔として成り立たないと考えています。漠然とした顔だと、イメージもぼんやりしてしまう」と説明した。」とあります。裁判でも、顔を実在の人物に近づけたことは認めています。

2016年の報道(はてなブックマーク数が多いものを選びました)
CGで裸の女児、児童ポルノか芸術か 裁判で争点に:朝日新聞デジタル
CG児童ポルノ有罪 「実在児童描き、写真と同じ」認定:朝日新聞デジタル